第72回文月会

第72回文月会は令和5年7月8日、順天堂医院D棟にて開催されました。総会が行われ、当番世話人である小松則夫会長(D56)より挨拶があり、コロナ感染症が5類に引き下げられたことに伴い、前回1月の第71回に引き続き、今回も対面で行う方針としたことが報告されました。引き続き会長挨拶として、今回の会をもって会長を退き、新会長にバトンタッチしたい旨、ご発言がありました。続いて来賓の学士会会長、藤井幸彦先生(D58)より、本部の動向と、若手卒業生の動向を把握する方策として、現在、学年ごとにある、group Lineを統合させることで細かい異動状況を把握する予定であることが報告されました。後藤重則庶務幹事(D56)、新井文子会計幹事(D63)、林光弘広報幹事(DH04)より報告があり、各幹事の報告に異議はなく承認されました。再度、小松会長より、新たに14名の世話人の推薦が行われ、承認されました。また、次期新会長(第10代)には聖マリアンナ医科大学血液内科主任教授、新井文子先生(D63)が、推挙され、全員一致で承認されました。それに伴い、新井先生より、新会長のご挨拶をいただきました。最後に、来る令和5年10月14、15日に横浜にて開催される、第67回有壬会関東甲信静支部連合総会の案内が高井昌彦先生(D53)よりありました。

引き続き、恒例の特別講演が行われました。千葉大学大学院医学研究院免疫発生学主任教授、平原潔先生(DH13)より「治療学へのいざない-病原性T細胞の機能的多様性が誘導する様々な難治病態」の演題名にてご講演いただきました。Covid-19感染で亡くなった患者さんの肺組織では血管周囲の浮腫と血管の構造的破壊が見られたこと、Covid-19罹患者に特徴的なMyl9タンパクを見出し、血漿中のMyl9レベルが患者の重症度を予測する(PNAS, 2022)ことをお示しいただきました。次に慢性炎症には記憶型病原性helper T細胞の関与が示唆され、特に先生はその中のT path2細胞の働きを深く研究されてきたことをお話しされました。最後に、免疫システムと他の生態系システムとの関連を示唆する例として、アレルギー性結膜炎の研究成果をお話されました。アレルギー性結膜炎のマウスモデルでは結膜組織に末梢神経の増生が確認され、これがかゆみを励起するメカニズムである可能性があることをお示しいただきました。非常に多岐にわたる、最先端の基礎研究の成果をご発表いただきましたので、1時間の講演時間はあっという間に過ぎてしまいました。場所を懇親会会場の銀座アスター御茶ノ水賓館に移し、小松会長の司会のもと、各会員の近況報告と、改めて、新井新会長のご挨拶があり、新井先生からは若手女性会員の参加を促したいとの抱負が述べられました。2時間弱の懇親会もあっという間にお開きの時間となり、最後に記念写真を撮影し、三々五々会員は帰宅の途につきました。

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